当院の代表的治療

脊椎脊髄内視鏡手術

当院の背骨の疾患に対する手術は以下の二点があげられます。

  1. 頸椎・腰部脊柱管狭窄症に対する低侵襲*1手術
  2. 腰椎椎間板ヘルニアに対する低侵襲治療・手術

*1:低侵襲というのは、患者さんの体への負担がより少ない治療という意味です。

1. 頚椎・腰部脊柱管狭窄症に対する低侵襲手術

高齢化に伴い腰部脊柱管狭窄症になる患者さんは年々多くなっています。腰部脊柱管狭窄症という病気は、背骨の腰の部分にある脊柱管という神経の通り道が加齢とともに狭くなるために、腰から足にかけての痛みやしびれが出現する病気です。早い人は40歳代から発症し、70歳代が一番多い病気です。薬で症状が治まらなければ手術による治療を行う必要があります。
当院では、患者さんの体への負担がより少ない手術法(低侵襲手術)を実践しています。そのために、できるだけ金属を使った脊椎固定術をしないことと、脊椎内視鏡をつかった小さな創(きず)で行うことにこだわっています。

脊椎固定術について

ほとんどの腰部脊柱管狭窄症は、脊椎固定術を行わなくても、脊柱管内で悪さをされている神経を適切に開放(除圧)してあげることで症状は軽快します。ですので、体への負担が大きい金属を使った固定術は極力行っていません。当院では脊柱管狭窄症に対する手術をここ3年で500例近く行っていますが、脊推固定術を要した方は数例にすぎません。

脊椎内視鏡について

脊椎内視鏡を使った手術を、当院では2015年より本格導入しました。年々技術の向上とともに、適応を拡大しており、昨年度(2018年)は腰の疾患に対して97%を内視鏡下におこなっています。腰の1か所だけでなく、3か所4か所と悪い方でも内視鏡下で手術をしているのは当院の特徴であり強みです。内視鏡下手術の説明は、当院HPの病気の話に記載しています(脊椎内視鏡手術)。内視鏡を使って行うことにより、創は小さくなり、術後の痛みが大幅に軽減されるため、ほとんどの患者さんが、翌日には立ってリハビリを始めることが可能になっています。85歳を超えるような高齢の方でも、手術後に具合が悪いなることもほとんどなく、キズにばい菌がつくこと(術後感染)はほぼありません。ですので、社会復帰が早く、入院期間の短縮が実現できています。近年は頚の骨の病気に対しても脊椎内視鏡を活用しており、昨年度(2018年)は頚の疾患に対して44%を内視鏡下に手術を行っております。
ただ、すべての手術が脊椎固定をせず、内視鏡下にできるわけではないことをご理解ください。

2. 腰椎椎間板ヘルニアに対する低侵襲治療・手術

若い人(10代)から高齢者(80代)まで幅広くおこる椎間板ヘルニアはとても多い病気です。ほとんどの方は、保存療法(薬や安静)によって軽快しますが、治らなければ病院での積極的な治療が必要になります。当院では、コンドリアーゼ注入療法(薬剤名:ヘルニコア)による加療と内視鏡下手術による加療を行っております。

コンドリアーゼ注入療法(薬剤名:ヘルニコア)による加療

2018年8月に保険認可され発売されたこの薬による加療は、今まで手術でしか治らなかった方を1回の腰への注射で治せる画期的な治療方法です(ヘルニコアの治療を受けられる方に)。当院では発売当初より導入して行っております。発売後1年たった(2019年8月)ところで約20名ほど加療をしており、おおむね良好な成績です。まだすべての腰椎椎間板ヘルニアの患者さんに行えるわけではないことと、治療の効果がすべての患者さんに良いわけではないのですが、全身麻酔や切開などの手術をしなくてよい事、1泊2日の入院でできることなどメリットの大きい治療ですので今後積極的に行っていきたいと思っています。

内視鏡下手術による加療

99%の方を内視鏡下に手術を行っております。

症例

仙台整形外科病院脊椎手術統計(全症例)

仙台整形外科病院脊椎手術統計

腰維手術中の内視鏡比率

腰維手術中の内視鏡比率

2018年度 手術内訳 (例)

頸椎 前方除圧固定術 1
椎弓形成術(黒川式・服部式) 30
内視鏡下椎弓切除術(CMEL) 13
内視鏡下椎間孔拡大術(CMEF) 12
胸椎 開窓術 2
内視鏡下椎弓切除術 1
脊髄腫瘍摘出 2
腰椎 開窓術・椎弓切除 3
内視鏡下椎弓切除術(MEL) 186
内視鏡下外側開窓術(MELF) 20
脊椎椎体問固定(TLIF) 1
love法(硬膜内脱出1例) 2
内視鏡下ヘルニア摘出術(MED) 134
内視鏡下外側ヘルニア摘出術(MELFD) 23
椎体骨折 脊椎後方固定術 3
BKP 3

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