整形外科部長 川又 朋麿
ひざの変形は若いころにひざの靭帯(じんたい)や半月板をけがした人にみられます。しかし多くの人はこのような原因が思い当たらず、中年以降に自然と発症してきます。軽症のうちは、ひざの曲げ伸ばしが、し辛くなる程度です。正座が難しくなりますが、無理して曲げ伸ばしをしなければ痛くありません。そのうち歩き始め、階段昇降、立ち座りの動作で痛くなるのが特徴です。しかし歩き出してしまえば余り痛くありません。
O脚が進行し変形が目で見てわかるようになると、症状は重症になっていることが多いようです。ひざがしっかり伸ばせない、和式トイレは辛いなどといったように、ひざの屈伸に支障がでてきます。さらに階段昇降では手すりが必要になり、平坦なところも長歩きが難しくなってきます。楽しいはずの旅行や買い物が苦痛になっているかもしれません。
前述のように多くの場合、ひざの内側に痛みがみられます。盛り上がった骨の棘(とげ)を触ることができ、押すと痛いかもしれません。また水が溜まってくる人もいます。水が溜まると関節全体に重苦感がみられ、特にひざを曲げたときに苦しさが増します。溜まると苦しい水ですが、実は軟骨が磨り減り摩擦が大きくなった関節の動きを滑らかにするために必要な潤滑油の役目もしています。原因である関節表面のゴツゴツが改善されなければ、いつまでも潤滑油は作られ、水腫(水が溜まること)が続きます。
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